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◆コンサルティング事例1◆

●依頼事項

(株)A時計店は兄弟3人が経営する、地方都市で小規模店舗10店を持つ時計小売業。バブル時の不動産投資の結果、帳簿上では年商を超える資産を持ちながら、時価評価に引き直すと既に債務超過状態である。しかし経営陣は過去の成功体験から旧態依然な経営手法を繰り返すばかりで、赤字店舗が年々増えて、労働者のモチベーションも低下し、いよいよ地元信用金庫からの借入金を返せなくなる寸前の状態となってから相談に来られた。


※今回の講座ではコンサルティング事例1を取り上げて説明していきます。

○コンサルティングのポイント
(1)10店舗中の5店舗が赤字経営であり、存続させる必然性が薄い
(2)一部賃貸店舗の家賃や保証金が世間相場に比較するとあまりに高すぎる。
(3)非効率利用されている実質的な遊休不動産が数カ所存在している。
(4)膨大な顧客データを持ちながらマーケティングすら実施されていない。
(5)広告宣伝方法も旧態依然で、費用対効果の考え方が成熟していない。
(6)人事労務管理や賃金管理が全くなされておらず、従業員の帰属意識も低い。

■結果■
事業リストラとして赤字店舗の廃止または他社への営業譲渡を、財務リストラとして不動産の家賃値下げ交渉や遊休不動産の処分や有効利用を、業務リストラとして的確なマーケティングや広告宣伝による売上アップ、廃止店舗の人件費や過大な役員報酬も含めた各種経費の圧縮を提案、経営者兄弟の意識改革による経営改善への熱意が通じて、地元信用金庫も同社の自主再建を全面的に支援し、一時的な返済の繰り延べを主軸としたリスケジュールに応じてくれた。
     
◆コンサルティング事例2◆

●依頼事項

(株)B運送は、地方中核都市に本社を置き、零細運送業者を構成員として全国展開している請負型運送業。経営者は商工団体等の役員を数多く務める地域の名士であるが、好景気時の発展イメージから抜けきれず、未だに年商額の拡大のみを至上命令としているため、営業経費ばかりが増加する反面、不採算取引先が目立つ状態になっており、年商に対して、営業利益は約3%程度しかない。メインバンクが経営破綻して整理回収機構に借入金が移管したことも影響し、ここ数年は資金繰りの悪化から税金や社会保険料の滞納が始まり、その総額は整理回収機構を含めると年商の20%にも達している。

○コンサルティングのポイント

(1)売上至上主義を脱却、営業利益至上主義に発想転換させなければならない。
(2)全国に散らばっている拠点の個別的な収支管理を徹底しなければならない。
(3)過去に節税を主目的に設立した異業種子会社を再編成しなければならない。
(4)整理回収機構や税務署等に対する弁済計画を早急に策定する必要がある。
(5)場当たり的な経営管理体制を刷新し「企業理念」を確立する必要がある。

■結果■
事業リストラとして不採算拠点や子会社の廃止・縮小及び不採算取引先の価格改定と撤退を、業務リストラとして全事業の徹底的な原価管理体制の構築と経費節減対策の実施を前提として、売上を減少させながら利益を数倍にし、5年間かけて全負債を利益でもって弁済するための再建計画を会社に策定させ、経営者自身が全関係先を巡回して協力依頼を行った。また全従業員の意識改革を図るため「二度目の創立記念日」を開催、コーポレートガバナンスの確立に成功し、労使一丸の新体制で、各官庁や金融機関の協力のもとに自主再建を進めることとなった。
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